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2008年を振り返って [今日の出来事]

いよいよ大晦日。
2008年もラスト数時間で暮れようとしています。

今年も今日で最後なので、今年経験したことから考えたこと、自分の今の状態を書き残しておこうと思います。

2008年は、私の36年の人生で一番記憶に残る年となりました。

2007年末に人間ドックで見つかった腫瘍はやはり「がん」で、「食道がん ステージⅠ」と診断されました。
進行度合いとしてはまだ初期だったものの、内視鏡では治療はできず、最終的に手術で根治を目指すと決断しました。
3月末に入院し、4月始めに手術、約4ヶ月のリハビリを経て、8月中旬に職場復帰しました。
復帰後は、IRとして1四半期ほぼ復帰前と同じ業務量の仕事こなし年末を迎えました。
 → 詳しくはこちら

「食道がん」の手術は、胃がんなどと違ってステージに関係なく食道をほぼ全摘します。
手術方法はいくつかあるようですが、私は開胸手術となり、お腹、背中、首の3個所に大きな傷が残りました。

手術後は、まず痛みとの闘い、食事を喉に詰まらせないで食べること、体力(片肺を止めた手術だったので)を戻すためにリハビリをすることなど等、いろんな困難がありました。
手術前に言われたことではありましたが、手術を受けることより、手術後の体調管理の方が何倍も大変でした。

手術をしてほぼ9ヶ月。
現状は、開胸した右上半身にはまだ痺れと痛みが残っています。更に深呼吸をしたり、寝返りなど右半身に体重を掛けたりすれば痛みは増し、右腕をまっすぐ上に伸ばすことはまだ出来ません。
食生活については、のどに詰まらせる回数はほとんどなくなりましたが、食べ物がスムーズに喉を通っていくということはありません。でも、この8ヶ月で、何でも食べれるようになりました。
また、食事後の不快感も軽減され、食事量さえ間違えなければ食後2時間ぐらいで体調は安定してくるようになりました。
体重も手術後に約7kg減ったものの、現在は-4kgで維持しています。

と、なんだか回復まだまだという記述に見えますが、冷静に振り返ると、本当に良くなったなぁと感じます。
私の病気を知らない人に心配されることは無くなりましたし(首の手術痕を見ちゃうと聞かれますけど)、手術を知っている友人にも「全然分からない」って言われます。

いろいろ問題は残ってはいるけれど、一喜一憂してもしかたがありません。
理学療法士の義弟によれば、手術による回復(骨の痛みなど)は個人差が大きいようです。
食事の問題はどこまで良くなるか分かりませんが、ともかく何でも食べれるようになったことを感謝しなきゃと思います。
とりあえず目安と言われている術後2年間、慎重に経過観察してもらいつつ、それでもそんな状況を淡々と受け入れ、私らしく、そして幸せに過ごせるよう日々精一杯生きるだけです。

自分が予想もしていなかった「がん」になり、この1年いろんな事がありましたが、良くも悪くも自分の人生観、生活スタイルが変わることはありませんでした。
書くことが好きで、とりとめないながらも続けてきたブログの話題に、「がん」のこと、自分の状況を書くことは増えましたが、同じ病の人や患者を側で支えている人に何か伝えられればといった思い、自分鼓舞すること以外には、特段の思いはありません。

「がん」の暴力的な響きにどうしても身構えてしまうけど、この国は2人に1人が「がん」になると言われる国です。
「がん」はできた患部、深度によって、治療法も深刻度も、そして再発率、余命も全然違います。「がん」という言葉だけでは、特別視する必要はないんです。

人が人の病気を変わってあげられないように、人のために人生は送れません。
自分の人生を精一杯生き、限りがあるからこそ幸せに過ごせるように努力することこそが、人の生の目的じゃないかと思っています。

自分の人生は自分にしか生きられませんが、人間は一人では生きられないというのもまた事実です。
「がん」を告知されてから、ToToという人生のパートナーが側にいてくれたことをこれほど幸せに思ったことはありません。
また、入院、退院、そして今でも私の体調を日々気遣い、物理的にも支えてくれる母には適当な感謝の言葉が見つかりません。
何でも分かり合える双子の妹、常に家族の支柱である父、そして多くの友人、知人。
今まで気が付かずにいたことを実感した年でもありました。

そして、リハビリ期間に続けていたブログやこのブログを見て頂いた皆様、ありがとうございました。
ブログを書くという目標があったことが、特に私がリハビリを諦めず、ここまで元気になった原動力になりました。

2009年がいい年でありますように!
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kuwachann

akkoさん、あけましておめでとうございます(米国では今明けました。)私も自分に突然降りかかって来た食道がんの中で自分を客観視するためにブログを始めましたが、2009年のお正月で3度目の新年をむかえることになりました。実は「早いもので」と書きかけたのですが、そうではないことに気付きました。私の癌が発見されたのは50歳になって2週間ほどの健康診断でした。今はまだ52歳なのですが、ここ半年ほど人々に「私は53歳だ」と言ってきました。心底思い込んでいたのです。多分ケモラジ、手術後の毎日が痛み、食事困難などへのチャレンジに満ち、物理的にも心理的にも濃かったため、勝手に1年多く勘定してしまったようです。でもそういう濃い日々を過ごし、一日の進捗を自覚できたのはとても幸せなことであるような気がします。また私の場合は米国居住、夫の両親は他界し、親戚は側にいないという状況でしたが、かけがえのない友人やコミュニティを発見しました。癌になる前は米国社会に対して非常に斜に構えていましたから面白い物です。またブログを通じての日本の友人達、夫の親戚達からの支えもとても大きかったです。

akkoさんの場合は年齢が私より若いので回復も早いのかもしれませんが、淡々とストイックに歩んでいらっしゃっる気持ちが伝わってきます。私の場合術後2年3ヶ月経って、食べることに関しては『全く別の身体になった』ことをやっと体得したような気がします。それまではどうしても「元に戻る」幻影を追っていました。

今年も宜しくお願いいたします。





by kuwachann (2009-01-01 14:48) 

akko

あけましておめでとうございます。日本は冬らしい天気で明けました。

kuwachannのお住まいの所は、アイスストーム大変そうですね。しかもかなり寒そう(><)無理せず、片付けなど頑張って下さい。

手術後の生活は、私も想像以上に大変である意味濃厚な生活でした。
映画を見たり、本を読んだり、他にもいろいろしたいことはあったのに(社会人になって始めての長期休暇でしたし)、食べることなど人間として超基本的なことをやるだけで、1日が経過してしまう日々でした。
手術後の困難よりも、そういった生活にストレスを感じることの方が多かったですが、日々の進捗に感謝できるようになったらだいぶ平穏に暮らせるようになりました。

食べることは、私も気持ちを切り替えて生活した方がいいかもしれません。「元に戻る」と期待するより、その方が楽に生きられそうです。

今年も宜しくお願いいたします。


by akko (2009-01-02 09:23) 

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