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No.101 『イタリアン・カップチーノをどうぞ―幸せが天から降ってくる国』 [今日の出来事]

窓の外は激しい風雨。こんな日は早く帰ってノンビリ読書のつづき。
シ・ア・ワ・セ。

で、ふたたびの内田洋子。
『ミラノの太陽、シチリアの月』から数えて5冊目、彼女の初めての著書。

日本エッセイスト・クラブ賞と講談社エッセイ賞をW受賞した『ジーノの家』やそれ以降の著作の特長である、イタリアの人々、営みを感性豊かに生き生きとまるで短編集のように綴ったエッセイとは違って、イタリアのガイドブックのような本。1992年1月から1994年10月にかけて連載されたものなので、当時のイタリアの文化、習慣、風俗、流行などが分かって面白い。この本を2年半前のイタリア旅行の前に読んでいたら、私のナポリでの過ごし方も変わっていたかもしれない(笑)とにかくイタリアは奥が深い!

2011年3月に訪れたナポリは夫の事前情報(当時ベルギーに単身赴任中)の通り、道にはゴミが溢れ、壁にはイタリア語が分からなくとも感じるなにか物騒な落書きが書かれている、殺伐として暗くて怖い街だった。本当はナポリ湾と海岸線が続く美しい街のはずなのに、のんびり物見遊山で歩くのが憚れる雰囲気。絵はがきを出すための切手を買うにも、購入可能なはずのタバッキ(町のたばこ屋さん?)では何度もにべもなく置いてないと言われ、駅前の郵便局に行けと言われてもあるべき場所にはゴミため場のようになった空き店舗しかなく、都市の機能を完全に失っていた。

そんなナポリは20年前から、ローマ、ミラノを中心とする北イタリアとの格差が広がり、ゴミ山で悪臭が漂い、カモッラ(シチリアのマフィアと同じ)がはびこる絶望的な街だったらしい。当時は1時間に1台もバスがこないと書いてあったけど、果敢にも我々夫婦は船着き場に行くための手段としてバスを選び、あるはずの路線はなかったものの、それ程待つ事なくバスに乗り、意外と(失礼)親切だった不愛想な運転手さんに助けられに目的地で降りる事が出来たのだ。20年前に比べればだいぶ改善されてる!

イタリアといえばピッツア、イタリア人のピッツアといえばモッツアレッラチーズとトマトソースだけのシンプルなマルゲリータで、発祥の地はナポリというところまでの知識はあったけど、この本を読むまでそのありがたみまでは知らなかった。あの時は喧噪とした雰囲気での街歩きに神経がすり減り、人気のピザ屋さん(ダ・ミケーレ Da Michele)はゆっくり楽しめなかったのです。

またイタリアに行きたい!
ナポリは…、治安が改善されてたらね^^;;


イタリアン・カップチーノをどうぞ―幸せが天から降ってくる国

イタリアン・カップチーノをどうぞ―幸せが天から降ってくる国

  • 作者: 内田 洋子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 単行本


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