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祖父のギター 〜17年目の後悔 [今日の出来事]

亡祖父が創業した会社はギターなどの撥弦楽器を作っていた。

社会人になり思いがけず、日本製ギターの黎明期(エレキギターの前)のメーカーの一つと言っていただける程には知名度がある(あった) こと、今でもギターマニアがオークションサイトで祖父のモデル(30年前ぐらい!)を探していることなどを教えて貰った。

私が小学生(中学生?)の頃に先を見据えて祖父が廃業を決めたから、会社の記憶はほとんど残っていない。小学生の頃、長期休みはほぼ祖父母の家で過ごし、道路を挟んで家の正面にあった大きな工場(”こうじょう”ではなく”こうば”と呼んでいた)で、敷地に積み重なってた楽器になる前の丸太でかくれんぼしたり、削りかすが舞う床に座って製作途中の楽器がたくさんぶら下がっているのを眺めたり、工場の人に遊び相手になってもらったりと、子供らしく遊び場という印象しかない。

なぜ祖父の会社のことを思い出したかというと、『青柳いづみこのMERDE! 日記』を読んでいるから。(2段組で423ページあるからまだ読み終わらない!)

ミステリーの次にエッセイが好きということで、万起男ちゃんと同じ年に講談社エッセイ賞を受賞していたのと、米原万里さんの本で紹介されていたので著者の本を読み始め、もう4冊程読んだかな。青柳いづみこさん(少女漫画みたいな名前だ!)は、演奏家と執筆業の二足の草鞋を履く(表現が古い?)エッセイスト。

そんなモノ書きピアニストのエッセイは、プロのピアニストとして楽器について触れる部分があり、廃業したメーカーの楽器(ピアノ)の話が出てくる。そして著者の祖父は著名なフランス文学者(というより骨董蒐集家)だったらしく、その足跡について触れている。

ギターマニアに愛されている祖父のギターと会社のこと、存命中にちゃんと聞いておけば良かったと、心の底から思う。ギターには祖父の名前(名は頭文字)がローマ字で綴られたモデルがあるんだけど、このカリグラフィーがものすごく格好いいのだ!1960年代にあのカリグラフィーはどうやって作ったんだろう?

しかし、ネットの情報っては怖い。祖父の会社の情報を求める書き込みに、社長の祖父の名前が漢字は辛うじて合っているけど読み方が違ったり、全くデタラメな名前(事実のようにコピペの連鎖が起こっている)が書いてあったり。祖父の略歴もリアミスと言えなくはないけど、悪意があるんじゃないかというものになっていたり。孫娘としては憤る。

実家にある祖父の遺品のギターは、残念ながら家族で弾けるものがひとりもいない。
(でももちろん売らない!)
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